ベビートーベン 喃語協奏曲

TV TOKYO『シナぷしゅ』

TV Program - Art Direction + Animation

『シナぷしゅ』は、2020年からテレビ東京で放映されている民間放送初の0~2歳児向けの番組です。この『シナぷしゅ』の新コーナーとして「ベビートーベン 喃語協奏曲」が2023年9月25日にリリースされました。喃語(乳児が発する声)を組み合わせてひとつの楽曲にしたのは世界初!? アートディレクターの鈴木友唯によるあたたかみのある手づくりの映像とともに、赤ちゃんと親御さん、みんなで一緒にお楽しみください!


これまでシナぷしゅではたくさんのジャンルの音楽をつくってきて、なかには幼児や小学生がボーカルをつとめる作品もありましたが、「0歳児が歌ううた」は史上初なんじゃないか!? と思いワクワクしながら企画しました。
レコーディングは、それぞれの自宅で、スマホのボイスメモ機能で。作曲の秋田さんの2人のお子さん、アニメーション制作の鈴木さんのお子さん、そして私の娘の喃語が結集してできました。制作過程もとても「いま」っぽい、そして飾らない日常の赤ちゃんの声でつくれたのがよかったなと思います。
赤ちゃんの声って本当に尊いです。テレビの前の赤ちゃんが、「喃語協奏曲」を聞きながら喃語を発して、その声が折り重なって、それぞれのご家庭でまた新しい「喃語協奏曲」が生まれたら面白いなと期待しています。


— 飯田佳奈子(『シナぷしゅ』統括プロデューサー)

子どもの成長を写真には残すけれど、声の成長はどうでしょうか?
動画を見返して「なんて可愛い声なの!」なんて笑顔が自然に溢れてしまうなんてことも多々あるのではないでしょうか。
2人の娘を育てていく中で、2カ月を過ぎた頃から発する「あー」や「うー」といった「喃語」に興味がありました。はじめは「声を出して遊んでるのかな?」くらいにしか思っていませんでした。しかし、スマホで録音した長女の声を聞いていたある日、そこにメロディのようなものを感じ、試しにピアノで伴奏をつけてみました。すると歌っているのだと感じられたのです。試しに友人たちにも子どもの動画を送ってもらって、声を音楽に乗せてみると、ことばがまだわからない赤ちゃんたちも、歌(のようなもの)を楽しんでいるのだという確信を強めました。 
今回は「喃語協奏曲」ということで、ピアノ伴奏に限らずオーケストラに出てくるような楽器も沢山使用しています。
赤ちゃんたちの声のピッチを変えたり、波形をいじったり等の音楽都合による編集はおこなっていません。赤ちゃんたちの自然な歌声を感じていただけたらなと思っています。


— 秋田茉梨絵(作曲)


飯田さんから「喃語の歌をつくりたくて……」とご相談をいただいた時、「私もです!」とお答えしました(笑)。というのも私には10カ月の息子がいるのですが、まだ言葉にならないおしゃべりがとってもかわいくて、携帯で録りため、その声で何かつくれたらなぁと思っていたので、お話をいただいた時はすごくビックリして嬉しかったことを覚えています。そして実際に秋田さんから送られてきたデモを聞いた時、尊すぎて涙がでました。こんなにもピュアで一生懸命な歌は今までにあっただろうかと。あまりにも歌が尊すぎて、どうアニメーションで表現しようか、この歌を表現するに値するイラストにしなくては……という葛藤もありました(たくさんアイデアをだしました!)
まだ言葉になる前の宝物のような言葉たち。そんな瞬間を残せたこと、とても嬉しく思います。この作品を見たみなさんが今目の前の赤ちゃんをそれぞれの形で更に愛おしくおもうきっかけになったら素敵だな、と思っています。


— 鈴木友唯 (DRAWING AND MANUAL Art Direction + Animation)

初期のスケッチ

構成のラフ

作曲:秋田茉梨絵
うた:シナぷしゅベイビーズ
アニメーション:鈴木友唯・菊地なつき
プロデュース:飯田佳奈子(テレビ東京『シナぷしゅ』統括プロデューサー)